6.コンソからの質問、提案

震災がれきと産業副産物のアロケーション最適化コンソーシアム
~ 未利用資源有効利用の産学連携拠点の形成 ~

コンソーシアムからの質問・ご提案事項

1.第1回全体会議(2012年9月13日)

(1) 今回の復興では,国土交通省はじめ,各省庁・財団等で技術開発助成制度(例:震災対応型技術開発制度)を運用されていますが,採択された各課題については,順次成果が出つつある状況かと思います.これらの課題で実証検討された技術については,復旧・復興の様々な事業の中で,積極的にお使いになることをご提案申し上げます.
(2) JISなどでは,用途に応じて適材適所な品質の考え方である「形式検査」の検討がなされていますが,今般の震災がれきの有効利用に関しても,通常の汎用的な品質評価の方法論のみならず,用途に応じた適切な資材の品質評価が重要と思われます.
(3) かねてより自治体が実施してきたリサイクル認定制度などの活用は,がれきの有効活用を加速させる上で有用だと思われますが,この点について検討事例があれば教えて頂きたい.
(4) 宮城県では,各がれき処理サイトは「あと2年(平成26年3月)で更地にする」という大原則のもとに,鋭意,処理を進めておられます.とすると,がれきが資材化して使える状態になる時期と,災害復旧工事などで有効活用し得る時期との間に,時間的なズレが生じることが予想されます.現状では,がれき処理サイトに存置できる余裕がありますが,資材化したがれきが復旧工事などで利用されるまでの間,しかるべき場所に仮置きするような対応策のご検討を提案いたします.被災者の皆様におかれましては,がれきの山そのものが消滅することが重要かと思いますが,例えば,砕石採取山の跡地をうまく利用する,など,も一案としてあり得ると考えます.
(5) 災害復旧工事や復興計画の中で必要とされる,資材の種類と量に関する情報があれば,コンソーシアムにおける今後の検討に資する情報として極めて有用ですので,お知らせ頂きたく宜しくお願いいたします.
(6) 復興が収束し,将来の東北地方が再び直面する可能性のある産業副産物の有効活用を考慮すると,今般のコンソーシアムでは,がれきの処理と有効活用に資する諸技術は,東北地方における資源循環型社会の形成にも少なからず寄与するものと考えております.このような観点から,がれきの有効利用時にスラグ,石炭灰,紙パルプ焼却灰などのがれき以外の産業副産物の利用も視野に入れながら,検討を進めることはできないでしょうか?

2.第2回全体会議(2012年12月7日)

(1) 各行政機関で実施している復旧・復興工事において,がれきの有効活用がどの程度進められているのか,概況で構いませんのでお知らせください.特に「利用したいがどう使いこなしたらよいか?」といったがれきにはどのようなものがあるか?「使った後の安全性をどう確かめたらいいか?」などで,お困りの点がございましたら,お知らせください.
(2) 現在,問題視されている突発的な骨材・コンクリート需要への対応方針や状況等について,お知らせください.
(3) 各がれき処理サイトでの処理工程の全体的な進捗は予定通りとなっているのでしょうか?また,サイトごとで進捗に差異はあるのでしょうか?がれきの特性の違いなどにより,各処理サイトで個々の問題は生じていないでしょうか?
(4) 今後の新たながれき発生の見込みについて,以下の点についての計画やご予定等があればお知らせください.

①今後解体されるコンクリート構造物などの有無と時期
②海中がれきのサルベージの予定
③農地堆積土などの農政所掌のがれき処理(各サイトで扱うのか?など)
④その他

(5) 当初計画では,がれき処理の期限は平成 25 年度末(2014 年 3 月)で「現地を更地に」という予定だったと思いますが,焼却施設の存置の是非などについて,検討されたことはありますでしょうか?
(6) 第1回全体会議でのご提案事項ですが,JISなどでは,用途に応じて適材適所な品質の考え方である「形式検査」の検討がなされていますが,今般の震災がれきの有効利用に関しても,通常の汎用的な品質評価の方法論のみならず,用途に応じた適切な資材の品質評価が重要と思われます.これについて,公益社団法人地盤工学会・東日本大震災対応調査研究委員会・地盤環境研究委員会焼却主灰再生資材の環境安全品質基準(案)が試案として出されておりますのでお知らせいたします.
(7) 第1回全体会議でもご提案致しましたが,今回の復興では,国土交通省はじめ,各省庁・財団等で技術開発助成制度(例:震災対応型技術開発制度)を運用されていますが,採択された各課題については,順次成果が出つつある状況かと思います.これらの課題で実証検討された技術については,復旧・復興の様々な事業の中で,積極的にお使いになることをご提案申し上げます.各技術についての概要については,第 3 回全体会議でご紹介する予定です.
(8) 第1回全体会議でもご提案致しましたが,がれきが資材化して使える状態になる時期と,災害復旧工事などで有効活用し得る時期との間に時間的なズレが生じることが予想されます.これに対応するためには,資材化したがれきが復旧工事などで利用されるまでの間,しかるべき場所に仮置きするような対応策のご検討が必要です.この点は,資材化されたがれきのみならず,(8)で説明したような有効活用技術も出番がなくなってしまいます.
資材化したがれきが復旧工事などで利用されるまで
(9) 第1回全体会議でもご提案致しましたが,復興が収束し,将来の東北地方が再び直面する可能性のある産業副産物の有効活用を考慮すると,今般のコンソーシアムでは,がれきの処理と有効活用に資する諸技術は,東北地方における資源循環型社会の形成にも少なからず寄与するものと考えております.このような観点から,がれきの有効利用時にスラグ,石炭灰,紙パルプ焼却灰などのがれき以外の産業副産物の利用も視野に入れながら,検討を進めることはできないでしょうか?特に,突発した骨材・コンクリート需要の中で,資材化されたがれきや未利用資源を積極的に使用してくことは,極めて重要な課題だと思われます.
産業副産物の有効活用

3.第3回全体会議(2013年2月27日)

(1) 第 2 回全体会議(2012 年 12 月 7 日開催)で,国環研・肴倉氏より,がれき焼却灰固化体の評価スキームについてのご説明がなされました.コンソーシアムとしては,この評価スキームに準じて,有効活用技術のご提案をして行くべきと判断しておりますが,行政のお立場として,本スキームの導入,準用などについてのご判断は,いかがでしょうか?
(2) 発災後から約 2 年が経ち,復興計画もあと 2013 年度の 1 年で復旧期(3 年)から再生期(4 年)に移行する段階に来ており,復旧・復興も本格化しつつある状況と思います.

a)がれき処理の進捗について

がれき処理の当初計画はあと 1 年が期限という状況ですが,現状,処理の進捗状況は計画通りとなっているのでしょうか?また,有効利用,最終処分等の目途や,資材化がれきの用地確保,使用先の見込みなど,当コンソの活動に関連する情報があれば,お知らせください.

b)資材調達の状況について

マスコミ等では,骨材,生コンなどの復興資材の不足が問題視されていますが,現在,資材調達については,どのような見込みとなっているのでしょうか?

c)資材化がれき,未利用資源の利用拡大について

復旧,復興工事において,資材化されたがれきや未利用資源を導入する計画などは,どの程度進んでいるのでしょうか?また,これらの導入が困難である場合,その障害となっている理由はなんでしょうか?

(3) 本年度末までの震災廃棄物処理の進捗見通しとして,岩手県は厳しい状況であると先日の新聞報道でもあったようです.特に土砂系がれきの有効活用について,その具体的要因についてお知らせ頂ければと存じます(例えば,有害物質の調査が不十分であること, 使用側(土木)の不安感が払しょくできない,等).
(4) 建設資材の不足が深刻しているなか、復旧,復興工事において震災廃棄物由来の資材や未利用資源を有効に利活用することが必要であると考えています。これらのリサイクル材の有効利用を進めるためには、国、県および市町村を含め「公共工事におけるリサイクル材利活用推進検討会議」(仮称)を設置する必要があると思います。その中では、環境安全性や建設資材としての評価、利用方法を検討する必要があり、コンソのメンバー(主に大学、公的機関)もご協力可能であると考えます。
このような検討はされていますか?

活動報告