ごあいさつ(2017年)

資源循環コンソーシアム
ごあいさつ

東日本大震災から早6年が過ぎ、社会基盤を中心に復興が着実に進む一方、今なお 9 万人以上の方々が避難生活を強いられており、特に福島県は、福島第一原子力発電所の事故に伴い復興が大幅に遅れております。被災され、不便な生活を強いられている皆様の早い復興を願うとともに、謹んでお見舞い申し上げます。

さて、「震災がれきと産業副産物のアロケーション最適化コンソーシアム」は、久田真代表(東北大学大学院)のもと、①がれきの処分と有効利用の観点から復興の迅速化に貢献すること、および②未利用資源の活用技術として応用し、東北地方における資源循環型社会の構築の拠点形成の足掛かりとなることを目的として、2012 年 6 月に発足し、1 期、2 期と活動して参りました。

その間、宮城および岩手県のがれき処理は、計画通りに進み3年間で終了しました。最大量の廃棄物処理を行った石巻ブロックにおいても、震災廃棄物の実に 95%が、建設資材としてリサイクルされ、有効活用されました。関東大震災や阪神・淡路大震災などの過去の大規模災害においては、海洋埋立て処分が、これまで基本とされていましたが、廃棄物の分別、減容、リサイクルが行われたのは、東日本大震災が初めてのケースであり、震災廃棄物の処理のあり方について、新たな一歩を踏み出したとも言えるでしょう。

一方、復興のため多くのインフラの整備において、建設資材不足の解消として、震災がれきや未利用資源を有効に利用する取り組みが行われました。例えば、防潮堤の盛土材として、津波堆積物や石炭火力発電所から排出されるフライアッシュおよび焼却灰(主灰)が利活用されました。また、北上川河川の液状化対策として行われるサンドコンパクションパイル工法では、鉄鋼スラグや非鉄スラグおよび津波堆積砂が利活用され、復興に大きな貢献をしました。

これらの一連の技術ノウハウは、「技術情報集」ならびに「適用事例集」として纏め上げております。そして、これらの資料は、昨年起きた熊本地震の被災地においても役立てていただくべく関係行政機関へ送付しております。

「震災がれきと産業副産物のアロケーション最適化コンソーシアム」は 1 期、2 期と産官学の連携を強め、復興支援に繋がる活動を続けて参りましたが、2017 年 6 月に「資源循環コンソーシアム」と名称を改め、「がれき処理」から「資源循環型社会の構築」へ軸足を置き、新しい東北の創生への支援を行うべく活動してまいります。

今後とも、会員各位ならびに行政各機関のご協力とご支援を賜りますようお願い申し上げます。

 

2017年8月

資源循環コンソーシアム代表
北辻政文(宮城大学)

  

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技術情報集(2013年6月)

適用事例集

第1期活動報告書

コンクリートがれき

福島農地再生技術情報集

再生石膏の有効利用ガイドライン

東北地方における産業副産物を対象とした資源有効利用促進技術資料集 2020年6月